2009年9月13日 (日)

モバ短投稿歌

「埋葬」

燃え尽きた九月の蝉のなきがらを枯葉に隠す夏の埋葬

「茶」

涼しさが寒さに変わる秋の日は気持ち濃いめの紅茶で起こす

「占い」

結論が出ている恋を何度でも占うきみに猫がよりそう

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しばらくの間、モバ短をお休みしようと思っています。

2009年9月 8日 (火)

モバ短投稿歌

「しりとり」

眠れずにひとりでつなぐしりとりはぐるぐるまわる闇夜の呪文

「枯葉」

枯葉ふむ君の奏でる旋律はおそれを知らぬ小さなフーガ

連歌「問いかけにイエスに等しい沈黙の」

問いかけにイエスに等しい沈黙の金の林檎をかじる堕天使

「放」詠込必須

野に放つこころは荒地に傷ついて血を流してはかさぶたになる

「ひとり」

ひとりにはもう戻れない魂のすきまを埋める欠片となれば

「理由」

その先は言わなくていいぬばたまの夜がおまえを沈めぬように

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フーガ=遁走曲

2009年9月 1日 (火)

モバ短投稿歌

「夏の思い出」即詠

光あり闇ありそこに君がいて白く浮かんだ部分日食

「秋」

見上げれば空をよこぎるひつじ雲どこから来たのどこへ帰るの

「半年」詠込必須

半年の時がはぐくむ言の葉をあなたに渡す秋のはじまり

「線」詠込必須・即詠

白線まで下がっていてね八月が駆け抜けてゆく一時間前

「交代」

花嫁の手を離す父の寂しさにたどりつくのは十年ののち

「天女」

ポケットに春の貝殻しのばせて誕生を待つ僕のヴィーナス

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少し説明を加えると。。

「半年」の歌はモバ短歴半年の歌人さんからの出題だったので、私も間もなく半年になる自分の短歌ライフを重ねて詠みました。
「線」の歌は即詠だったのでちょうど8/31の23時に詠んだものです。
「天女」の歌はヴィーナスでもOKとのことでしたので、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」と「プリマヴェーラ」のイメージから詠みました。

2009年8月25日 (火)

モバ短投稿歌

「玉桂」折り句

高き空またたく星のかなしみをつめて明るむランプをともす

「泣く」

泣くことを自分にゆるす真夜中の月のひかりは胸にあふれて

「きらきら」

泣き顔を寝顔に変えたこどもから不意にこぼれた言葉がきらり

連歌「二人でいても孤独な夜明け」

光年の旅する星も消えてゆく二人でいても孤独な夜明け

「脱ぐ」

のびやかに夏の衣を脱ぎすてて無心にあびる今朝の涼風

「甲子園」青春折り句

恋ごころ映した夜のしじまから永遠を見るふたりの視線

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最後の青春折り句には「甲子園」ならではのドラマがありました。
「青春」を見落として、ただの折り句を詠んでいたのです(汗)

この星に生まれて出会う四季のいろ絵の具こぼれた秋の公園

締切直前に気がついて差し替えたのですが青春というにはやや微妙な歌に。。
(若い恋の歌と言えないこともないかもですが~。。)
今度から出題文をよく読むことにします。今回はスミマセンでした。
この歌を選んでくださった方々、ありがとうございました!

2009年8月16日 (日)

モバ短投稿歌

「意地っぱり」

雨やどりしていたんだよ今ここで君に会ったのはほんの偶然

連歌「夕立みたいな恋をした夏」

かさついた心をふいにひるがえし夕立みたいな恋をした夏

「海洋生物」詠込必須

白雲の鯨がリアルに変わりゆく夢を見ている水底ふかく

「声」詠込必須

寂しさで死んだりしないひとりでも声高になく真夜中の蝉

「ピアノ」詠込必須

ピアノにはなれぬ身体を抱きしめてしずかにうたう再生のうた

「パープル」

まだなにも知らない君のかたわらで手にとる帯の古代紫

連歌「潤った心の芯がもう渇く」

潤った心の芯がもう渇く大暑立秋処暑をすぎても

「紅葉」隠し題

図書室でうつむく君を見た日から誘いたかった行こうよ海へ

「蝉時雨」折り句

席を立ち見上げる空はしずもりて暮れる窓辺の檸檬の匂い

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隠し題は初挑戦でした。
折り句や隠し題などを考えるのは結構好きです。

2009年8月10日 (月)

モバ短投稿歌

「バス」詠込必須

ずぶぬれの重い制服ひきずって駈けこむバスは夕餉のにおい

「やかん」詠込必須

身のうちの熱もてあましぐらぐらともがくやかんの哀しき夏日

連歌「好きなだけ鳴いて喚いて消えてゆく」

好きなだけ鳴いて喚いて消えてゆく舞台女優の顔して君は

「夏の定番ソング」

動かない風をふたりで探してたカナリア諸島は永遠の夏

「花火」

まなうらに夏の光をとじこめてこころに映す夜の向日葵

2009年8月 3日 (月)

モバ短投稿歌

「部活」

ラケットの風切る音が好きだった記憶めざめる水鳥の羽

「麺類」詠込必須

素麺をゆであげるほどの時間にてつるりと君をぬぎすててゆく

連歌「強がりを支えきれなくなっていて」

強がりを支えきれなくなっていて百羽の鳥に思いを託す

「光」

睫毛ゆらす金の光が鳥になりまどろむように舞い降りる午後

「朝顔」詠込必須

朝顔がゆれる浴衣の少女からみなとみらいが過去形になる

「曜日」詠込必須

月曜の朝に浮かんだけだるさをぽんと蹴上げる八分音符

「肌」詠込必須

つなぐ手の汗ばむ肌のぬくもりは君の生まれた九月の微熱

2009年7月26日 (日)

モバ短投稿歌

「歯」詠込必須

幼子をひざに寝かせて歯磨きは声かけながら笑わせながら

「鮫」詠込必須

波の音を背中に聞いて夜を待つ鮫の影さえ胸に添わせて

「まねきねこ」折り句

待ちわびて眠れぬ夜に聞こえくる合歓の葉擦れに恋は目ざめる

「短歌」

いつまでも探しつづけるひとかけら解き明かしたい心のパズル

連歌「折れてしまったヒールの踵」

会いたくて走り続けた夜の果てに折れてしまったヒールの踵

「沈黙」詠込必須

鷺草は風にゆられて空を見る飛べない鳥の白い沈黙

「日蝕」折り句

庭に出て月を見上げる少女たち夜明けの前の暗闇を知る

2009年7月21日 (火)

モバ短投稿歌

連歌「時計の針を独り戻して」

加速度をつけてく恋に追いつかず時計の針を独り戻して

「夏の訪れ」

梅雨明けのニュース流れる空の下麦わら帽子の子は走り出す

「携帯電話」

ひとりでもいいんじゃないの携帯をまっぷたつに折る真夏の少女

「関係」詠込必須

関係者にならずそこには立ち入らず傍観者として君を見ている

「花火」

夜に咲く花あざやかに燃えおちて夏の名残りを連れ去ってゆく

「新聞・社会面」

動物を傷つけた者の負う罪の器物損壊という言葉の響き

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

連歌で首席となり初めて出題をする立場になりました。
ものすごくドキドキしました。。
間違いがあったらどうしようかと。。sweat01

2009年7月16日 (木)

モバ短投稿歌

連歌「ただ祈る消えた未来や夢の数」

ただ祈る消えた未来や夢の数明日は笑顔でいられるように

「果実」詠込必須

甘さだけ味わっていた果実酒の苦さに気づく君去りし夏

「お金」詠込必須

砂浜でアイスを食べつつふと思う貝がお金の時代だったら

「大失恋」

あの日から貝になってる真夜中の冷気をまとい耳をふさいで

「星」詠込必須・即詠

星ひとつ落ちてくるかな南西の空を見上げて君が笑えば

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