2012年6月21日 (木)

笹短歌ドットコム~楽器

高音のチェロは命を削る音きみの言葉に背筋をただす

「ねむるのがこわいの」という人の弾くマリンバの音は木々のざわめき

オカリナを卵のように包む手にあたためられて音は生まれる

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

笹短歌ドットコム、お題「楽器」で3首採用していただきました。

採用に至らなかったのは以下の2首です。
     

空虚五度ミラミの和音を弾きながら取り戻せないものを思った

開放弦を繰りかえす腕は疲れはて明日の夢を忘れてしまう

「空虚五度」のような(自分にとって)新しい言葉にふれると歌にしたくなってしまうのだけれど、きちんと人に伝わる歌を心がけないといけないんだろうな。と反省。

2012年3月 9日 (金)

笹短歌ドットコム~枕詞を使った歌&佳作

月草の仮の免許を手にすればはるか心は旅路に浮かぶ

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

半年ぶりの笹短歌ドットコム、お題「枕詞を使った歌」で「枕で1首劇場」に選んでいただきました。
そして、その歌が佳作をいただきました。
笹短歌ドットコム、無事に復活されてよかったです。
選外は、こちら。(今回は投稿3首まで)
  ↓
樫の実のひとりながめる街並の君はどこかに時計をかくす

荒妙の藤子・F・不二雄ミュージアムどこでもドアは足音を待つ

歌の募集の頃にちょうど藤子・F・不二雄ミュージアムができたので、詠んでみたのでした。
どこでもドアも、あるみたいです…door

2011年8月30日 (火)

笹短歌ドットコム~花&佳作

アザレアは浅く根を張る大丈夫やりなおせるとあなたが言った

失踪の話のように失恋を語る窓辺に芽吹く木蓮

あの花は何と問われて木蓮とこたえる春がうごきはじめる

木蓮が咲きそめている地の揺れにうつむく人のはるか高みに

花散らす風吹きやんだ耳のなか君の言葉がひとつこぼれる

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

半年ぶりの笹短歌ドットコム、お題「花」で全首採用していただきました。
そして3首目は佳作をいただきました。
ありがとうございます。
投稿時期が震災直後であったために4首目は少し影響を受けた内容になっています。
敢えて詠もうとした訳ではないのですが…。
笹短歌にはなんとか投稿したけれど、この時期ほかの歌は全然詠めませんでした。

2011年2月20日 (日)

笹短歌ドットコム~鏡

ふたたびは会えない人を追いかけて回しつづける百色眼鏡

夏の日のカーブミラーの分かれ道白い素足が浮かびはじめる

天空をめぐる孤独な目だろうかハッブル宇宙望遠鏡は

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

笹短歌ドットコム、お題「鏡」で3首採用していただきました。
ありがとうございます。
鏡はお題としてはそれほど考えにくいものという気はしなかったのですが、結果はかなり自信のないものになってしまいました。
だから3首とっていただいてほっとしました。
ちなみに1首目の「百色眼鏡」とは万華鏡のことです。
2首目はそういう意図はないのですがちょっと怖い感じになってしまったかも。

2010年12月30日 (木)

笹短歌ドットコム・佳作

放課後のドアをあければ匂いたつ絵具まっすぐ君の背を見る

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

先日の「部活動」の歌で佳作をいただきました。
ありがとうございます。
丁寧なコメントもいただいて勉強になりました。

短歌をはじめた一昨春からの投稿先で欠詠せずに続いているのはNHK短歌と笹短歌ドットコムだけかも…。
できればこのまま継続させていきたいものですが。

さて、今年もあと一日になりました。
来年も短歌&短歌でつながった人達との素敵な出会いがありますように。
皆さま、よいお年をお迎えくださいshine

2010年12月18日 (土)

笹短歌ドットコム~部活動

放課後のドアをあければ匂いたつ絵具まっすぐ君の背を見る

八月の果ての空気を知っている水泳部員が絵のなかに棲む

恋をする水に絵具を溶くように水泳部員と美術部員は

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

笹短歌ドットコム、お題「部活動」で3首採用していただきました。
ありがとうございます。
部活動はあまりにも昔のことなので考えるのが難しかった…。
そのため今回はじめて虚構の世界をつくってまとめてみました。
こんな感じで…。
  ↓
美術部の部室は軋む旧校舎いつも口笛きこえるあたり
放課後のドアをあければ匂いたつ絵具まっすぐ君の背を見る
デッサンが基本なんです美術部はコンテ木炭ゆびを染めつつ
八月の果ての空気を知っている水泳部員が絵のなかに棲む
恋をする水に絵具を溶くように水泳部員と美術部員は
かろやかにカルキの味のキスをする水泳部員の彼は年下

6首目は投稿していないおまけの1首です。
内容的に流されてしまって短歌としては今一歩だったかも…。

ちなみに高校の三年間はバドミントン部だったのです。
それなので、かんなさんのこの歌にしびれました。
   ↓
地球へとシャトルは還り冬の日のバドミントン部の部室に眠る

2010年10月11日 (月)

笹短歌ドットコム~虫

白墨が折れてしずまる二限目の窓に舞いこむ紋白蝶々

何ひとつあきらめることはないのだと気づいた 蝉が羽化をしている

比喩にする直前までを見届けた夏蝶ひらと中空に飛ぶ

虫の音と蝉の声を聞く午前五時季節の窯がかきまぜられる

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

笹短歌ドットコム、お題「虫」で4首採用していただきました。
ありがとうございます。
「虫」は最近のお題のなかでは詠みやすかった方ではないかと思います。
(出来栄えはともかくとして…)
ちなみに不採用は下の1首。

道端の秋に朽ちゆく蝉の羽とべなくなったものは儚い

2010年8月25日 (水)

笹短歌ドットコム・佳作

駆け引きの道具に堕ちた電話から言霊さえも滑り落ちてく

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

先日の「電話」の歌を佳作に採っていただきました。
久しぶりなのでうれしいです。

また、改作の歌についてもコメントをいただきました。

「電話よ」と母に呼ばれる思春期の恋は昭和の階段の下
  ↓
「電話よ」と母に呼ばれる思春期の恋は五月の階段の下

「ぐっと良くなりましたね。
詩的な広がりが出ました。」

お忙しい中、どうもありがとうございました。

2010年8月22日 (日)

笹短歌ドットコム~電話

「電話よ」と母に呼ばれる思春期の恋は昭和の階段の下

美しくひらかれた胸に深く打つ楔であった君の電話は

語るべき言葉などなくうつむけば無言電話のような暗闇

駆け引きの道具に堕ちた電話から言霊さえも滑り落ちてく

距離をおく、疎遠になるということば予言のように残る留守電

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

笹短歌ドットコム、お題「電話」で全首採用していただきました。
ありがとうございます。

次のようなコメントもいただきました。
1首目~「昭和の」は、ちょっと安易な説明的な表現かも。
上の句だけで昭和(あるいは平成初期)の風景だとわかるので、
「昭和の」というフレーズはないほうがいいです。
2首目~「言霊」が効いてますね。
最後~安心して読める作者です。(←sweat01sweat01

過分な御言葉をいただいて恐縮です。
まだまだ試行錯誤の私なのです。。
でも、これを励みにして頑張ろうと思います。

1首目改作
  ↓
「電話よ」と母に呼ばれる思春期の恋は五月の階段の下

2010年7月 6日 (火)

笹短歌ドットコム~UFO・宇宙人

ロズウェルと君つぶやけばぬばたまの夜にひんやり浮かぶUFO

かすかなる羽音に闇が動きだす そこにいるのは天使ではない

「にんげんはしぬんだよね」とささやいて少女は月夜に5センチ浮かぶ

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

笹短歌ドットコム、お題「UFO・宇宙人」で3首採用していただきました。
ありがとうございます。
なかなか難しいお題で、はじめての欠詠?と思ったほどでした。
「宇宙」は詠めそうなのに「宇宙人」が詠めないのは何故~。

ちなみに採用に至らなかったのは次の歌です。
自転車の歌はE・Tから、月面の歌は衛星?の「かぐや」から詠みました。

自転車の前のかごから広がった宇宙にのばす細い指先

月面に落ちてゆく時かぐやからあふれる記憶が銀河を濡らす