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うたらば

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2011年11月 6日 (日)

題詠blog2011まとめ

001:初 
初めてと言えば心は軽くなるスタートラインに風が吹いてる

002:幸 
泥はねのブーツにもある幸せを冬の舗道にさらさら零す

003:細 
目を細め見上げる空はいくたびも重ね塗りした郷愁の色

004:まさか 
あまさから苦さへ至る道すじを君におしえるカラメルソース

005:姿 
だれにでも揺るがぬ軸があるというヨガの講師の姿勢うつくし

006:困 
困らせてみたいと思う正論のきみの真摯が苦しいときは

007:耕 
耕して畝を立てればやわらかく土ふくらみていのちを宿す

008:下手 
口下手を言い訳にして杏露酒を飲めばしずかに染まりゆく頬

009:寒 
寒空をうすく切りとる促音のきみの「きっと」に照らされている

010:駆 
校庭につかのまの雪とけてゆく駆けるこどもの足跡つれて

011:ゲーム 
シューティングゲームのように照準をさだめて冬の駅に降り立つ

012:堅 
堅牢な壁に囲まれゆれうごく君のかたちはきっと自由だ

013:故 
故意ですか過失ですかと訊いてみた胸にちいさな火をくべながら

014:残 
残すこと残されることの寂しさに日付を越えてきみと歩いた

015:とりあえず 
とりあえず切符を買えばふるふると耳をくすぐる業務連絡

016:絹 
とらわれて身動きできぬ充填の絹ごし豆腐のなめらかな白

017:失 
はじめから失われていた人だった眼鏡はずした祖父を知らない

018:準備 
旅立ちの準備もせずに君は行くまだ見ぬ春に焦がれるように

019:層 
成層圏でまた会いましょう思いきり大きな声で名前を呼んで

020:幻 
ひたむきな顎のラインをとがらせて君が見上げる空は幻

021:洗 
洗いたてのシャツには水がしみわたりハンガー八本ゆびに食いこむ

022:でたらめ 
でたらめに口ずさんでるメロディがいつか希望の歌になるまで

023:蜂 
二回目が致命傷になる針ならば一度は蜂に刺されてもいい

024:謝 
謝罪する言葉が胸にしずむときわだかまりの角すこしとろける

025:ミステリー 
ミステリーを読めばメトロは密室の空気にかわる金曜の午後

026:震 
震源を遠くはなれた土地にいて春のこころはなお揺れやまず

027:水 
天然水やわらかく飲む喉元に木犀の香があまさを添える

028:説 
説得をされても納得できないとつぶやく夜のきみの変声

029:公式 
公式は忘れたけれど黒板に響くチョークの音はやさしい

030:遅 
遅くとも明日には着いているだろう海辺のポストのかたちを思う

031:電 
留守電に声入れるとき一時のためらいの後ことばはきざす

032:町 
地平線より湧きあがる春がすみ記憶の町はゆるやかに立つ

033:奇跡 
何度でも奇跡を起こす人であれ傷を無骨なかさぶたにして

034:掃 
薄雲を一掃させて青深く磨きあげたら梅雨明けになる

035:罪 
罪ひとつ重ねた夏だうつくしくやさしいものを水にしずめて

036:暑 
きみからの暑中見舞いはもう来ない金魚鉢には空気がよどむ

037:ポーズ 
三日月のポーズで高く伸びゆけば真夏の空にふれるゆびさき

038:抱 
きみの抱く疑問を誰かの些事として切り捨てることはできるだろうか

039:庭 
やわらかい庭土を踏み感じてる足裏いっぱいに咲く春の花

040:伝 
伝言が歪んでしまうプロセスを遊ぶ子供のささやきに聞く

041:さっぱり 
髪切ればさっぱりしたと人は言う そのためにまた伸ばしはじめる

042:至 
至らない自分と思ういつまでも「ごめんなさい」を言いだせなくて

043:寿 
寿の封をあければ甘やかな武器がばらばら地上に落ちる

044:護 
守護霊といえるだろうか絶え間なく君のこころを励ますものを

045:幼稚 
理屈にはできぬ思いが幼稚とは言えないんだよ 髪を撫でやる

046:奏 
夜の音を奏でる風のゆびさきが頬にふれたら涙にかわる

047:態 
擬態する生きものたちは色をかえ古い記憶を切り捨ててゆく

048:束 
声あわせ歌え斉唱あらかじめ束ねられてる魂たちよ

049:方法 
いくつもの方法がある選ぶまで未来は扇のかたちにひらく

050:酒 
黄昏のグラスにそそぐ花梨酒はとろりとゆれて夜にいざなう

051:漕 
漕ぐ舟は波にさからう両腕にみなぎるものをオールにのせて

052:芯 
直角にナイフを入れて芯をとる林檎は何を捨てたのだろう

053:なう 
いくつもの「なう」の重なる休日のタイムラインにとりのこされて

054:丼 
湯気の立つ鰻丼ふたつ用意して告げる言葉を考えている

055:虚 
刹那より虚空はずっと小さくて心音さえも聴こえなくなる

056:摘 
花首を切って摘みゆく花がらの秘めた思いが刺さる指さき

057:ライバル 
ライバルの語源は小川おまえとは何処の水を争ったのか

058:帆 
汚れても破れてもなお張り直す帆には不屈の魂やどる

059:騒 
喧騒の街を歩いたいつまでも届かぬ声に耳をすませて

060:直 
歪んでも直せるだろう軸とするものはいつでも自分で決める

061:有無 
やさしさの有無を見きわめ速やかに選別をする四月の少女

062:墓 
炎天の公園墓地にただひとり滴る汗はぬぐわずに行く

063:丈 
草の丈ぐんぐん伸びる黄昏に子どもの時はゆったり満ちる

064:おやつ 
「おやつよ」と呼ばれるときの甘やかなあなたの声を忘れかけてる

065:羽 
羽のない君のとなりに羽のない僕が寄り添う無機質な夜

066:豚 
イベリコ豚と名をつけられて店に出るショーウィンドウで光を浴びる

067:励 
「やってごらん」と励まされたから飛べたのだ君の両手のやさしい地熱

068:コットン 
くるくるとコットンキャンディからませて高く掲げた子は空に浮く

069:箸 
ふぞろいにわれた割箸対称をなくしたものは自由に見える

070:介 
介入を阻止するものが多すぎて着ぶくれをした権力者たち

071:謡 
いつまでも母のこころにしまわれて不意にこぼれる童謡ひとつ

072:汚 
汚れゆく水の流れに逆らえば山までたどりつくかもしれぬ

073:自然 
不自然な微笑である「幸せになってね」なんて言ったばかりに

074:刃 
無造作にかざす刃がひかるのは闇が明日を隠してるから

075:朱 
渾身の力をこめて押す印の朱肉の色はどこか悲しい

076:ツリー 
ビル陰よりスカイツリーはあらわれてしばし歩めばまた消えてゆく

077:狂 
つらぬいた愛が狂気に変わるとき藪の椿の花がこぼれる

078:卵 
しなやかに片手で卵を割るひとの肩のラインがちいさく揺れる

079:雑 
雑踏に取り残されることだけを望んで生きた訳じゃないのに

080:結婚 
結婚がはじまりだったあなたとの記憶ばかりを増殖させて

081:配 
おそらくは天の配剤なのだろう夜ごとわたしにかえりくるもの

082:万 
万緑にひたされている今だけは傷つけるものをすべて排除す

083:溝 
修復のできなくなった溝ならばいっそ巨大な海溝になれ

084:総 
総合的学習という曖昧な時間に飽きて見る窓、カラス

085:フルーツ 
肉厚のグレープフルーツ食べおえてボウルのような皮を重ねる

086:貴 
口にすることのなかった「貴い」の言葉が浮かぶ新生児室

087:閉 
夜の闇に閉ざされてゆく扉たち今日と明日の境目になる

088:湧 
何処から湧いてくるのかわからない青い焔が胸にゆらめく

089:成 
成長のひとつのかたちと思えれば雑言さえも囀りになる

090:そもそも 
そもそものはじまりなどは忘れたが君と気が合うことは知ってる

091:債 
債権も債務も持たず生きるなら風のかたちになれるだろうか

092:念 
記念日にチェックを入れたダイアリの表紙はいつも白い子兎

093:迫 
背後から迫る靴音やりすごし自分の夢を守れるならば

094:裂 
美しい断裂だろう揺るぎないきみの思いが爆ぜたのだから

095:遠慮 
遠慮などしていないのに顔色を気にされている逆光の席

096:取 
奪い取ることなどしない少しずつ水の流れを変えてゆくだけ

097:毎 
「おはよう」と君が言うから毎朝が苦しいほどに眩しかったよ

098:味 
塩味のスイーツばかり食べすぎていい塩梅がわからなくなる

099:惑 
戸惑いの浮かぶあなたのまなざしが目蓋の上をはなれないのだ

100:完 
未完なるものこそ永久に愛されて白いレースのうえでまどろむ
 

2011年11月 5日 (土)

完走報告(紗都子)

今年も無事に完走することができました。ありがとうございました。

100:完(紗都子)

未完なるものこそ永久に愛されて白いレースのうえでまどろむ

099:惑(紗都子)

戸惑いの浮かぶあなたのまなざしが目蓋の上をはなれないのだ

098:味(紗都子)

塩味のスイーツばかり食べすぎていい塩梅がわからなくなる

097:毎(紗都子)

「おはよう」と君が言うから毎朝が苦しいほどに眩しかったよ

096:取(紗都子)

奪い取ることなどしない少しずつ水の流れを変えてゆくだけ

095:遠慮(紗都子)

遠慮などしていないのに顔色を気にされている逆光の席

094:裂(紗都子)

美しい断裂だろう揺るぎないきみの思いが爆ぜたのだから

093:迫(紗都子)

背後から迫る靴音やりすごし自分の夢を守れるならば

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