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うたらば

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2016年7月

2016年7月25日 (月)

6月号の歌

黙々と部屋さがしする春の指ひかる画面をスワイプさせて

『ジョナサンと宇宙クジラ』と引換に『たんぽぽ娘』を置くカウンター

早贄のように刺された柿の実の半月過ぎても光る枝先

まだ若い弥生の雨が木蓮の蕾を濡らす 子の発つ朝に

空心菜の名のさびしさと明るさよ 子は三月に家を出るもの

三日月パンと訳されていたあの頃のクロワッサンに朝の光を

ただいまの声ひとつずつ消えてゆきたったひとりを待つ春になる

(塔2016年6月号掲載歌・小林幸子さん選)

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

『ジョナサンと宇宙クジラ』『たんぽぽ娘』はロバート・F・ヤング著のSF小説。

4月号3首目の歌を選歌欄評で取り上げていただきました。(山下泉さん)
とても丁寧に読んでいただいたので、この歌について改めて考えることができました。

6月号で半年間の作品合評が終了しました。

NHK短歌8月号

十八歳で出会った君と迎えれば流れる水のごとき銀婚

(十八歳=じゅうはち)

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

お題「婚」で坂井修一さんに佳作に選んでいただきました。

作品合評で選んだ歌(2016.4月号~6月号)

作品合評でピックアップした歌。後半3か月分。
(各月のはじめの4首が結社誌に取り上げた歌)

2016.2(2016年4月号掲載)

正論は今日はもういい花弁をむしりとるごと上司の言えり       芦田美香

たくさんの思ひ出のなかの一番のあの騎馬戦で君会ひに来よ    北島邦夫

ベランダにちぎれ雲撮る子の背を台所からそっと写せり        永田聖子

君が好きな村上春樹読みあさる 舟を集めて橋かけるごと      青垣美和

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

叱るとき鈍器で擲るようだった声は戻りて他の子に応う        江種泰榮

石段の低きに影を先立てて杖をのぼらせ足のぼらせる        坂根美知子

君と聞く虫の音あわれ昨秋と同じ命はひとつも無くて         さつきいつか

暗きより明るき道へ出づるとき手と手を渡り梅飴来たり        澤﨑光子

「必ず」とう言葉いつしか使わずになりて夕暮を好きになりたり    村上春枝

街路には魚類のごときすばやさのいくつもが過ぐあなたとなるまで 一宮雅子

2016.3(2016年5月号掲載)

うつくしい夕焼けだからこのままで牢名主のように坐っていよう   徳永香織

冬型の気圧配置をテーブルに散らかして飲む朝のコーヒー     木村珊瑚

非業なる死を遂ぐ人の必ずに夢というのが語られること       八鍬友広

きつとさう忘れたふりがうまくゆく庭のコスモス見に来ませんか   木原樹庵

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

かなしみの在り処のちがふわたしたち霜月の夜の鍋をかこみぬ   澄田広枝

酒場よりときに漏れくる喧噪の断片のごと思ひ出はあり        千名民時

若干の怒りは君に矢印となり歩道橋ずんずんのぼる          岡本妙

上半身だけふりむいてゆるくふたしめるみたいにあなたは笑う    上澄眠

波になりはなしかけたい波を待ち水平線を見つめるきみへ      小林千代

太き樹をそよがせているのが君で統べられている森の重力      篠原廣己

浮かぬ顔するなよ息子小さき時にタツノオトシゴ見せたであろう   井上孝治
(小=ち)

ゆっくりと世界が真逆になってゆく波打ち際の君の一言        王生令子

ねころんで時計をかじり笑う子に時間も風も同じものみたい      伊坂恵美子

2016.4(2016年6月号掲載)

すぐにでも動ける体勢ととのえていることすなわち待つということ   乙部真実

あけがたの明かりの中に目覚めたりまだ色のない赤きシャツ着る  小島さちえ

彼という三人称をえらぶとき日照雨のようなすこしの遠さ        安田茜

ただいまを家に灯す夜 おかえりが乱反射して家庭を照らす      真魚

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

手のひらの豆腐のような明るさにあなたは平和を語るけれども    関野裕之

丹念に巻き込まれてる秋の陽がこぼれてきそうな白菜剥す      林田幸子

朝はあなたに会ふためにあるリフレイン みづのひかりを蹴散らしながら 浅野大輝

ぼくに当たつてかたちをなくしてしまふ雪さういふ感じで怒つてほしい 浅野大輝

この夫をらざる家は寂しからむ喧嘩しながらしみじみ思ふ       松尾桂子
(夫=をつと)

風に乗るカラスは前衛灰色の雲は後衛寒気団来たる          岡崎五郎

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