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うたらば

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2016年5月

2016年5月25日 (水)

4月号の歌

おみくじはgeneral luckひっそりと群像劇のひとりに戻る

ためいきのように星がきれいと言う正しく生きることは苦しい

ひんやりとした両の目をまばたきであたためながら行く夜半の道

仲間だと思うまもなく外された梯子はるかな冥王星の

劇的なことなどなくて寸劇の端役のような身軽さで行く

試運転の山手線は黙々とひかりを運び夜を二周す

(塔2016年4月号掲載歌・栗木京子さん選)

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

6首目の試運転とは昨年12月のE235系テストランのことです。

2月号4首目の歌を選歌欄評で取り上げていただきました。(ジャッシーいく子さん)

2016年5月 9日 (月)

作品合評で選んだ歌(2016.1月号~3月号)

2016年1月号から6月号まで結社誌で大坂瑞貴さんと作品合評を担当しています。
原稿は既に終了したのですが、なかなかハードでスリリングな半年間でした。
でも、自分では思いつかない読みを提示されることは楽しく、色々勉強になりました。
作品1~若葉集の鍵の内側(いわゆる秀歌欄以外)から4首を取り上げる過程で毎回10首~15首ピックアップしました。(この作業が一番時間がかかりました)
そのようにして選んだ歌をブログにも載せておこうと思います。
各月のはじめの4首が実際に結社誌で取り上げた歌です。

2015.11(2016年1月号掲載)
豆つきのモヤシのひげ根取つてゐる 寂しきときは深く息すふ   井上政枝

雀らのあまたを吸ひてまた吸ひて冬の老い木はふくよかなりし  國森久美子

朝がほのしぼむを死ぬと思ふらしこの子のこの夏ふかぶかと青   出奈津子

私って笑っていればいいのだと私の土俵を私今知る         宮本華

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

ふと洞がそこにあったと気づくよう嫁という字をつくづくと見る  吉川敬子

独り言くり返すわれに気づく時余韻のごとく木の葉が揺るる    西藤光美

必要とされることなき幸せの八月ひかりの道にふり向く     坂根美知子

深海の魚のような心地して本棚から本棚へ身をくねらせる    岡山あずみ
(本棚=たな)

流れ入り海に馴染めぬ河水のしばらく土の色保ちゆく       丸山隆子

2015.12(2016年2月号掲載)
母らしくひとりの家に母は暮らす 石鹸箱のうすい石鹸      久岡貴子

尺玉の音が後からドンと来て夏負けしたる我を励ます       浅野次子

ダイヤルを回す重さを思ひ出し重き返事はメールで言はず    遠田有里子

間に合わない不意に思えば夕焼けが鳩尾あたりに燃えあがってくる 王生令子

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

あちこちに木通のように悲しみがぶら下がっている人住まぬ家  数又みはる

丹念に打てば響きし拍手を杉のからすが啼いて引き取る      嵯峨克彦
(拍手=かしわで)

人生の味はいよいよ濃くなりて時には風にわれをされせり     星野綾香

われ知らぬわれのルーツの在りどころ草の根いつも切れて抜けくる  大野檜

醤油させば丸き豆腐に浮かび出づる<男>という字ちいと煩し    冨田織江
(丸=まろ)

窮すれば泣きたい捨てたい縋りたい黄花コスモス群れて咲くなり  秋田妙子

ぷつくりと邪気を詰めゐるごとくありむすめの棚に多肉植物    栗山洋子

あと一歩で答が分かりかけている雨脚しだいにつよくなりゆく   小谷栄子

野の道にしゃがんで地図を広げたる人に見えたり秋のバイクは   奥山和俊

ばらしては色のならびをととのえる色鉛筆のおとひびかせて     安田茜

2016.1(2016年3月号掲載)
どうしても月が見たいと泣き始む子は首すじに熱を溜めつつ    塚本理加

ぺきぺきとペットボトルをつぶすとき屈託のない空気飛び出す   今井早苗

見えぬ目でわれを見上げる老犬の水晶体に浮かぶ夏雲      上仲まさみ

キレイゴトと謗らるる夜の月明かりきつと綺麗に生き抜いてやる   北川迪

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

憤るままに両手でキーを打つしばらく打ちて後のこおろぎ     芦田美香

丈直し頼みしズボン何ゆえか「天地無用」として届きたり    小島さちえ

胃カメラの抜かれゆくとき日本刀の鞘の感覚横臥の我れは     山下太吉

胡麻を擂る擂鉢押さえていし頃が母にいちばん近く居た頃     林田幸子

深大寺に妹と蕎麦味わいて大吉をひく二人とも引く        秋野道子

濡るる葉とはじく葉ひざをかすめつつ人ひとり分の踏み分け道は 石川えりか

笑うたび近くなる距離きみからのプレゼントの値札シールをはがす 宇梶晶子

失言を悔やみていれば午後がゆき携帯電話もかたえに冷える    津田雅子

天使なら左の翼生えているあたりが痛む あと二杯飲む      佐藤涼子

祖母の家に干されしままの長襦袢わずらうまえの日々のかたちに   吉田典

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