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うたらば

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2012年11月18日 (日)

題詠blog2012まとめ

001:今 今更と思うこころのゆらめきをひきずっている夜なのだろう

002:隣 春隣ねむるあなたの睫毛からこぼれるものをやさしく舐める

003:散 散髪を済ませたあとの少年の首すじ細く闇に浮きたつ

004:果 果樹であることを証明できるまで偏西風にこの身をさらす

005:点 絵画なら点描が好きぽつぽつと閉じこめてゆく真実のいろ

006:時代 超新星、少女時代といわれても言葉の意味は計りしれない

007:驚 驚いて振り向くときのまなざしにスライスされた歪なレモン

008:深 梟のからだはんぶん羽なれば森深く飛ぶ軽くとびゆく

009:程 成程を口癖にして生きてゆく自我をしずかに飼いならしつつ

010:カード 百枚のカードで財布をふくらませ自由をなくすことも自由だ

011:揃 前髪を切り揃えてはため息をついて鏡をそっとうかがう

012:眉 三日月のかたちに眉を描いたら街のあかりを壊しにいこう

013:逆 逆上がりする昼さがり雨あがり虹をくぐって地球にもどる

014:偉 偉大なるものほど大きな影をなし人のこころに歪みをつくる

015:図書 記憶からこぼれていった鳥たちの名に会いたくてかよう図書室

016:力 力点と作用点だけあるけれど見つけられない支点 さよなら

017:従 血縁をあわくにじませ従姉妹たち駈けおりてゆくたそがれの坂

018:希 残された希望でしょうか降りそそぐ花、花、光、ひかり、まぶしい

019:そっくり ほんとうにパパそっくりと言われても会えない人のことは知らない

020:劇 さようなら劇中劇の恋人のようにわたしを抱きしめるひと

021:示 荒れ果てた掲示板にもささやかな良心があり更新される

022:突然 すみません突然ですが突然と言えばすべてが許されますか

023:必 必要のないものばかり集めては満たされてゆく子供の時間

024:玩 玩具にはやさしい歯型ミニチュアのようなパーツを持つひとだった

025:触 ぺたぺたと触れては逃げる子の指のあまいにおいが漂っている

026:シャワー にぎやかなライスシャワーを浴びながら歩くふたりに影は見えない

027:損 損失は補償しません最初からリスクがあると言ったのだから

028:脂 音たててとろけてしまう牛脂にもあわく獣の気配はあって

029:座 教室にならぶ座席はそれぞれの子の体重を支えてきしむ

030:敗 はじめての敗戦投手のようだった折りたたまれた背中ちぢめて

031:大人 大人しいと言われることが厭だった褒め言葉だとわかっていても

032:詰 質問が詰問にかわる放課後にこころを石に変えたのでした

033:滝 その滝が氷に変わる瞬間をあなたはきっと見たのでしょうね

034:聞 寡聞にして知らぬ噂を積みかさね世間はまわる回りつづける

035:むしろ 博識というよりむしろ奇人だが抗いがたい引力のひと

036:右 右側に風を添わせて左にはからめるためのゆびを泳がす

037:牙 角よりも牙もつものが怖いことあなたはきっと知らないでしょう

038:的 詩的にはならない言葉ならべつつ真空パックに鋏を入れる

039:蹴 蹴りあげた球の軌跡を目で追って風の音しか聞こえなくなる

040:勉強 なにごとも勉強だよと言う人の学びの成果を見たことがない

041:喫 ささやかな仮面をかぶる人として漫画喫茶の闇にとけこむ

042:稲 稲妻は稲を実らせゆくひかりあなたの頬をあおく照らして

043:輝 輝きは消えても色は変わらない失敗談に何度も笑う

044:ドライ ひりひりとはりついているまなざしがドライアイには眩しいのです

045:罰 罪あれば罰もあります時を経てかたちを変えてゆく白い雲

046:犀 天上に浮かぶ小さなてのひらが金木犀の香を撒いている

047:ふるさと すりきれた絵本の中のふるさとはにじむばかりの水彩の色

048:謎 鞄から些細な謎をとりだして煙に巻いてみせてごらんよ

049:敷 鍋敷の熱ゆるやかにさめていきくぐもる声がぽたりと落ちる

050:活 ワクチンは不活化となり甘やかな毒をだれもが忘れてしまう

051:囲 囲まれて花束を抱くありふれた家路はひかる滑走路です

052:世話 草花を世話するひとの肩越しに雨をいざなう雲が来ている

053:渋 渋柿の渋が抜けゆく不思議さと思えるほどの心変わりだ

054:武 その夏の武勇伝として真夜中に羽化する蝉を見にいったこと

055:きっと 「たぶんね」と軽くこたえるリフレインさせる「きっと」は見せないままに

056:晩 晩秋のしんと静まる公園に犬とわたしがループをえがく

057:紐 縄になるはずだった紐のかなしさよ来世はもっとのびやかであれ

058:涙 降りだした雨のようです落涙はまわりの色を一気に変えて

059:貝 ささやかな貝殻骨にふれるとき子どもをまもる鎧と思う

060:プレゼント プレゼントによろこぶ顔を思い出す古い絵本を夜にひらけば

061:企 密室で企てられた計画が日にさらされてしゅわりと消える

062:軸 ぶれている軸を戻してくれるのは淡い言葉と薄いてのひら

063:久しぶり 久しぶりと言いたかったの会うことは挨拶をすることだったから

064:志 その意志はこころに刺さる揺るぎないものが誰かを傷つけている

065:酢 やさしいお酢ばかり使えばやさしさの基準がいつかわからなくなる

066:息 おだやかにうごく胸です生きている息をしているひとだったから

067:鎖 午後五時の連鎖反応ひとりずつ秘めた話をほどきはじめる

068:巨 巨大化を抑えきれないズッキーニだだだだだっと斜めに切れば

069:カレー それぞれの家のカレーを確かめる公認カレー鑑定士たち

070:芸 趣味として手芸を挙げる少女たち指にほのかな自慢を見せて

071:籠 自転車のからっぽの籠がうれしくて日曜日には遠くまで行く

072:狭 狭すぎる世界だったね星にまで手が届くよと歌ってたのに

073:庫 放課後の開架書庫にて語り合うささやく声を床に落として

074:無精 伸びきれば無精髭ではなくなるし君は砂漠の人ではないし

075:溶 チョコレートの溶けるはやさで夏の日はくたくたになる眠りたくなる

076:桃 キッチンに桃の香りが満ちてゆく足音だけであなたがわかる

077:転 異文化をかすか見せて壇上の転校生はあかるく笑う

078:査 探査機が月を走ればひんやりと頬をかすめる十月の風

079:帯 温帯のやさしさが好き手を振ればやわらかい風を返してくれる

080:たわむれ ひと夏のたわむれの後の虚脱感。爽快感も忘れてひとり

081:秋 秋暑から秋冷に変わるひと日だと並木の下で気づく午後です

082:苔 鉢植えのわずかな土にも苔があり真っ先に水を吸い込んでいる

083:邪 退屈な日々を無邪気にやりすごし邪気をやがては纏うのでしょう

084:西洋 西洋史のテキストのなかに隠された暗号を解くふりをしている

085:甲 甲虫を追わなくなった君の手にそっと抱かれる『数学ガール』

086:片 片方を失うことのかなしみの一番ちいさいかたちはピアス

087:チャンス ふたたびは来ないチャンスと知りながら東の空を幾たびも見る

088:訂 訂正をする暇もなく飛び出せばいつか伝説のひとと呼ばれる

089:喪 モノクロの喪中葉書を読むときにあなたの声を思い出してる

090:舌 寡黙から饒舌に至る道筋をつけてよ冬のドライマティーニ

091:締 締めきった窓から冬をながめればスノードームにしずむ僕たち

092:童 童心に返るあなたを追いかけて支えるための腕になりたい

093:条件 無条件に愛してしまう遺伝子の不思議を不意につきつけられて

094:担 まっすぐに担うと言えばよかったね差し出した手が無様にゆれる

095:樹 延々と街路樹にそって歩くとき鳩のリズムで笑ってしまう

096:拭 拭っても汗のしたたる感触を思い出せない木枯しの街

097:尾 露草と狗尾草のわきを行くノスタルジーを持て余しつつ

098:激 激情は橙でしょう二人して虹の感情を当てはめてゆく

099:趣 趣のある庭ですねと言いながら果樹の実りをたしかめている

100:先 先んずれば世界はとてもたいらかで諍いなんて何もなかった

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