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2010年10月

2010年10月29日 (金)

087:麗(高松紗都子)

小市民の脆きうつわを磨くとき日は麗麗と窓より来たる

086:水たまり(高松紗都子)

長靴で立てば空まで落ちてゆく水たまり鳥ふたりきり森

085:訛(高松紗都子)

ぬけきらぬ訛のようによりそってひと雨ごとの春をむかえる

2010年10月28日 (木)

ニッポン全国短歌日和2010秋

上りなら町へ下りは海へ行く藤沢駅に鳩があつまる

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NHKのニッポン全国短歌日和で番組百選にえらんでいただきました。ありがとうございます。
じつはこの歌、予選通過作品では見た覚えがなかったので驚きました。残るとしたらもっと別の歌だと思っていたので…。

前回も地名の歌の結果がよかったけれど実は地名の歌は苦手です。多分生きている範囲が狭いからだと思います。
こういう時は全国を飛び回っている人が羨ましいなぁと思ってしまう。

番組冒頭ではロバート・キャンベルさんにこの歌を紹介していただきました。(「打つ」)
  ↓
はじまりはどろどろの鉄打たれては光を増してゆくはずだった

子育ての歌かなと言っていただきましたが、そこまでの考えはなかったのです。
でも後からコメントを聞いて(放送時はゆっくり聞いている余裕がなくて)何て鋭い指摘、と驚きました…(^_^;)
知っている方の歌が次々に出てきて楽しかったです。短歌日和。

2010年10月22日 (金)

NHK短歌11月号

助走から疾走までにあったこと君に話そうひと夏のこと

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お題「走」で東直子さんに佳作に選んでいただきました。
ありがとうございます。
今月も駄目かな…と思っていたら東さんに掬っていただいて嬉しかったです。
ちょっと息切れしそうな歌ですね…。

2010年10月21日 (木)

うたらばvol.01テーマ「夕刻」

乗りなれた助手席にいて命まで君にゆだねるやさしい日暮れ

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田中ましろさんが私費を投じて作成されている「うたらば」vol.01テーマ「夕刻」に採用していただきました。
ありがとうございます。
9月に訪れた名古屋「名短」で御本人からvol.00テーマ「春恋」をいただいたのですが、これが本当に素敵なのです。
小さなフリーペーパーの中に美しい写真と短歌と詩がきらめいている感じがしました。
そしていつか自分の歌が載ったら嬉しいなぁと思っていたのですが、こんなに早く実現するなんて…(感涙)
「うたらば」のサイトで確認できるので、よかったらご覧になってください。
巻末の佳作集にはこの歌も載せていただきました。
   ↓
黄昏に気配濃くなる月のようにほのかに浮かぶ君の輪郭

短歌はもっと、自由になれる(「うたらば」より)

2010年10月18日 (月)

夜ぷち10/17

ましかくの教室だけでふれあってやがて世界に散らばる僕ら

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企画テーマ「同級生」で東直子さんに放送外で選んでいただきました。
ありがとうございます。
卒業後は音信不通になるかもしれない寂寥感のようなものをもっと盛り込みたかったのですが、思いの外あっさりした仕上がりになってしまいました。

2010年10月16日 (土)

午睡の夢は

荒れ地にも育つ可憐な花の名をましろき紙にしるす御七夜

名をつけて名を呼びながら親になる声に出せない時も 呼んでる

足もとの草を標とするようなあてなき日々の胸の鳥かご

偽りのなかのまことをすくいとる手のひらであれ小さき人よ

さびしいと感じる子供が際立って多い国だと知るこどもの日

水やりが過ぎれば腐り忘れたら枯れる草だよ君もわたしも

ももいろが瞼のうらに広がって午睡の夢はほどかれてゆく

花の名と舟偏の名を持つ子らにやさしい風が吹きますように

(塔2010年10月号掲載歌・三井修さん選)

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1首目は6月に初めて参加した塔e歌会に出した歌です。
(お題~数詞または数字を入れた歌)
「塔」は今月号から池袋のジュンク堂書店さんにも納品されているそうです。

2010年10月15日 (金)

084:千(高松紗都子)

ざくざくとこころに穴を掘り埋めた千の言葉はさみしくないか

083:孤独(高松紗都子)

ふれあったその瞬間に受けとめる深い孤独も恋としておく

082:弾(高松紗都子)

ほうせんか弾ける種子のあかるさで君が笑ってくれたのだから

081:シェフ(高松紗都子)

休日のねむりをさますポタージュに私のシェフが魔法をかける

うたらば・ブログパーツ短歌「月」

今はもう抱けなくなったあの人の肩越しに見た月を見ている

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「うたらば」のブログパーツ短歌、お題「月」に採用していただきました。
ありがとうございます。
「うたらば」は田中ましろさんが私財を投じて作っている写真と短歌のフリーマガジンです。

2010年10月11日 (月)

笹短歌ドットコム~虫

白墨が折れてしずまる二限目の窓に舞いこむ紋白蝶々

何ひとつあきらめることはないのだと気づいた 蝉が羽化をしている

比喩にする直前までを見届けた夏蝶ひらと中空に飛ぶ

虫の音と蝉の声を聞く午前五時季節の窯がかきまぜられる

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笹短歌ドットコム、お題「虫」で4首採用していただきました。
ありがとうございます。
「虫」は最近のお題のなかでは詠みやすかった方ではないかと思います。
(出来栄えはともかくとして…)
ちなみに不採用は下の1首。

道端の秋に朽ちゆく蝉の羽とべなくなったものは儚い

2010年10月 8日 (金)

080:夜(高松紗都子)

眠れない夜にひらいた携帯のタイムラインがまだ流れない

2010年10月 7日 (木)

079:第(高松紗都子)

夏に聴く第九のような違和感をおぼえた朝のとおい世界へ

2010年10月 6日 (水)

078:指紋(高松紗都子)

日にやけた肩に指紋が残るほど抱きしめている海沿いの道

2010年10月 4日 (月)

077:対(高松紗都子)

対岸を歩くあなたが見えなくて視線は空にはりつけられる

2010年10月 1日 (金)

076:スーパー(高松紗都子)

かけちがうボタンのように遠ざかる君が乗りこむスーパーはくと

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