2018年4月 6日 (金)

2月号の歌

心には深い海があるという声が遠く聞こえる瞑想のレッスン

コンビニが消えて生まれるこの町にダーウィニズムのごとき風吹く

尖りある酸味の赤がくちびるを濡らす夜です月は見えない

ひとりだとふと思う時ときしんしんと深くなりゆく秋の蒼天

泣くことは恥ずかしいと言う六歳がふわりと母のスカートに添う

物語の終わりのように零時には床につくから明日をください

朝に流すポットのお湯のあたたかさ今日は誰にも会わなくていい

(塔2018年2月号掲載歌・江戸雪さん選)

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NHK俳句4月号

ヨガマットひろげる彼方春の水

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兼題「春の水」で今井聖さんに佳作に選んでいただきました。

春の海めくってもめくっても微睡

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兼題「春の海」で夏井いつきさんに佳作に選んでいただきました。
(微睡の読みは「まどろみ」です)

2018年3月20日 (火)

1月号の歌

踊らせてほしい日もある踊りたい日もある風が秋に変わった

かすかなる焦燥感が日々にありちりりと痛む足裏である

光るにはまだ至らない原石の時に未来を超えるまたたき

ももいろの耳かたむけて母猫は時折容赦なき眼を向ける

めざめては身巡りの水を縦にする樹に学びたいとふと思いつつ

空き部屋を子の名のままに呼ぶことのためらいもなく五年過ぎゆく

(塔2018年1月号掲載歌・永田和宏さん選)

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月刊うたらば3月号「再」

消えてゆく音をとどめるすべを得て人は昔の声に恋する

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月刊うたらばテーマ「再」に採用していただきました。

NHK俳句3月号

水墨に閉ぢこめられて霜の鶴

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兼題「凍鶴」で夏井いつきさんに佳作に選んでいただきました。

2018年2月11日 (日)

12月号の歌

明け方の空にオリオンあらわれて秋のそびらにふれるまなざし

早朝のねむりをさますアラートがテレビ画面を黒くくり抜く

旅をする獣は手足が大きくてやさしい眼をしているはずだった

サバンナに別れの風が吹くときに帽子と鞄を君にあずける

微量でも検出されたよろこびをパラフィン紙として震わせてみる

分かちあうとは言わないでシェアと言うドライフルーツを選るまなざしで

(塔2017年12月号掲載歌・永田淳さん選)

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月刊うたらば2月号「野菜」

寒ければ糖度を上げて身をまもる法蓮草のやさしいちぢみ

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月刊うたらばテーマ「野菜」に採用していただきました。

NHK俳句2月号

氷柱成す力つららを溶くちから

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兼題「氷柱」で高柳克弘さんに佳作に選んでいただきました。

鏡文字ひとつクリスマスの手紙

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兼題「クリスマス」で夏井いつきさんに佳作に選んでいただきました。

2018年1月13日 (土)

11月号の歌

せみしぐれ小暗い森に響くほどひんやりとする夏の身体は

指二本でひろげる君の表情が笑顔とわかる向日葵畑

旅に出た君がふらりと寄りそうで覗いてみたい猫の集会

熱あてて熱こもらせる夏の髪ゆびでといても縺れるばかり

突き上げた指揮者のてのひらの中に最後の音が吸われて消える

会計学を学んだ日々は遠くなり笊目のあらい家計簿つける

三等星までと言わずに見せてほしい身体が浮かぶほどの夜空を

(塔2017年11月号掲載歌・小林幸子さん選)

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9月号5首目の歌を選歌欄評で取り上げていただきました。(沼尻つた子さん)

月刊うたらば1月号「犬」

「迷い犬さがしています」の貼り紙のいぬ黄ばみゆく小さいままに

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ブログパーツ短歌から新しく形を変えた月刊うたらばテーマ「犬」に採用していただきました。

フリーペーパー最新号うたらばvol.20「些細」にも1首掲載されています。
         ↓
http://www.utalover.com/index.html

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