2017年5月12日 (金)

3月号の歌

何度でも窓をひらいてたしかめる東の空の虹の気配を

惜別のこころで見ればなにもかも夕陽の色にかわる教室

金色の陽をまとい来よ枯野より子はやすやすと老いてゆくから

波頭ただまぶしくてその夏に別れた人が美しくなる

君は少し泣いた?と問われ立ち止まるその旋律を胸にひろげて

眠たくて祈りのように傾けた首はすべり台のさびしさだ

霜月の初雪は午後も降りやまずしんと冷たい夕刊届く

(塔2017年3月号掲載歌・前田康子さん選)

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

うたらばブログパーツ短歌第110回「背」

エラー音に止まるルンバを背中から抱えて戻す 亀のようだな

知ることは背負うことだと思いつつ君の言葉をまっすぐに聞く

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

「うたらば」ブログパーツ短歌テーマ「背」に2首採用していただきました。

また、うたらばフリーペーパー最新号「食べる」の佳作集にも一首掲載されています。
美味しそうな一冊ですcake

http://www.utalover.com/index.html

NHK短歌5月号

夢のなか連れてかえった父なのに目覚めるたびに指がほどける

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

お題「父」で坂井修一さんに佳作に選んでいただきました。

2017年4月19日 (水)

2月号の歌

宍道湖に真雁は群れる行く秋の落穂、二番穂ついばみながら

笑顔には魔除けの意味があるという埴輪の中のひそやかな闇

成長が神話の時代オリオンの振りかざす腕の先の混沌

パンフレット五十冊分の時は行く君とシネマの闇をかさねて

筆跡のとがりに低い声を汲む君と五年の交換日記

真夜中の雨に気づいて耳じゅうが雨音になる眠りにとける

(塔2017年2月号掲載歌・山下洋さん選)

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

12月号2首目の歌を選歌欄評で取り上げていただきました。(吉岡昌俊さん)

2017年3月 2日 (木)

1月号の歌

函館の町にカラスとカモメ飛びさびしい色と気づいてしまう

長万部、洞爺、室蘭、地名のみ知る駅が行く車窓のむこう

手裏剣と思って避けたひとことが遠ざかるほど鮮やかになる

銀木犀をヒトのあなたと見にゆけば百三十年の樹齢は奇跡

ささやかにはしゃいだ後のはにかみのように漂う花の香がある

どちらかがこの世に残されることのたしかさを思う火を緩めつつ

(塔2017年1月号掲載歌・小林幸子さん選)

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

1首目2首目は昨年9月に北海道に行ったときの歌です。
旅先で短歌や俳句をつくろう!といつも思うのに全然できません。
(そう思っていたこと自体をすぐに忘れる)
たぶん吟行が苦手なタイプなんだと思います。

11月号1首目の歌を選歌欄評で取り上げていただきました。(永久保英敏さん)

2017年1月31日 (火)

12月号の歌

深夜から突然朝が来るようだタイムラインをたどってゆけば

古き香の消えて私のものとなる本に記憶のまなざしがある

明るい未来が「アカルイミライ」と聞こえくる万歳に沸く画面の中の

夏だけに流れる川があることを告げてふしぎを君と分けあう

小走りの速さで迫ってくる水が小さな山羊をころがしてゆく

子の部屋に既に子はなく「邪気封印」のシールみどりにつやめいている

風を打つ背面跳びのすがしさで九月わたしの秋がはじまる

(塔2016年12月号掲載歌・真中朋久さん選)

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

「邪気封印」はエアリスのリミット技ですね。

2016年12月29日 (木)

NHK俳句12月号

ぎんいろのおりがみの舟秋の声

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

兼題「秋の声」で堀本裕樹さんに佳作に選んでいただきました。

NHK俳句11月号&俳句と私

二十グラムの身をはためかせ鳥渡る

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

兼題「渡り鳥」で正木ゆう子さんに入選十句に選んでいただきました。(9月4日放映)

正木さんの評~鳥に詳しい人なら、何の鳥かわかるかもしれません。たった二十グラム。具体的な数字が生きています。

「俳句と私」☆彡

このブログは私が短歌をつくりはじめると同時にスタートさせた短歌ブログなので俳句記事を載せることには躊躇いがあったのですが、やはり備忘録として残しておくことにしました。

俳句をはじめたのは2013年5月、きっかけは地元で初心者講座が開かれたことです。
心の赴くままに参加してみました。
講座は全4回で終了し、和気藹々とした雰囲気のまま月一度の句会が開かれるようになりました。
俳句は句会の楽しさで続いているような部分があって、毎月つくるのは句会に出す5~6句がやっと。
それに今年度からNHK俳句投稿の3句が加わるようになりました。
これからも時折、俳句のご報告ができればいいなと思っています。(多分あまりない)
そんな訳で新カテゴリー「俳句」です。

11月号の歌

はつなつの首賭け銀杏ゆるぎない声が若葉となってざわめく

東京のメトロの下にメトロあり爪先いつかマグマにふれる

パラソルのようなあなただ夏の陽と雨をあかるくかわすてのひら

空あおぎUFOを呼ぶまなざしで池のまわりに休む人たち

昼の顔スプーンの背にうつしつつ午後にやるべき仕事を思う

(塔2016年11月号掲載歌・三井修さん選)

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

9月号7首目の歌を新樹集評で取り上げていただきました。(小山美保子さん)

NHK短歌1月号

刷毛で引く雲の白さか九月には九月の声を部屋に満たして

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

お題「部屋」で小島なおさんに佳作に選んでいただきました。

«うたらばブログパーツ短歌第104回「先生」