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うたらば

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2017年7月 4日 (火)

5月号の歌

ころんだら落とすいのちと思いつつ冬の横断歩道を渡る

不本意なことは日々ある垂れこめた雲の上には満月がある

マグカップで指先あたためつつ握りそっとすべらす猫背のマウス

名の上の故の字さびしむ私のときは知らずに過ごしてほしい

弦楽のうねりがむずかる子のようでヨガのポーズがゆらいでしまう

廃屋の壁めきめきと新しい色を見せつつ壊されてゆく

(塔2017年5月号掲載歌・江戸雪さん選)

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

3月号7首目の歌を選歌欄評で取り上げていただきました。(千葉なおみさん)

うたらばブログパーツ短歌第112回「揺」

字を見ればわかる心の揺れがあり友は手紙の行間を来る

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

「うたらば」ブログパーツ短歌テーマ「揺」に採用していただきました。

2017年6月 3日 (土)

4月号の歌

「くつしたちゃん」と呼ばれる猫の靴下に長いものあり短いものあり

チューニングの音のうねりは一点に絞られたのち空気に変わる

チェロの弦は指にあかるく弾かれて冬の心をのびやかにする

千年をもつといわれる羊皮紙のひつじの記憶たどりゆきたい

綺麗事ときれいなことは似てるけどインクの染みる加減が違う

エラー音に止まるルンバを背中から抱えて戻す 亀のようだな

『虚実妖怪百物語』を読みながら長くて深いお辞儀見ている

(弾かれて=はじかれて)
(虚実=うそまこと)

(塔2017年4月号掲載歌・永田淳さん選)

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

2月号4首目の歌を選歌欄評で取り上げていただきました。(清水弘子さん)

2017年5月12日 (金)

3月号の歌

何度でも窓をひらいてたしかめる東の空の虹の気配を

惜別のこころで見ればなにもかも夕陽の色にかわる教室

金色の陽をまとい来よ枯野より子はやすやすと老いてゆくから

波頭ただまぶしくてその夏に別れた人が美しくなる

君は少し泣いた?と問われ立ち止まるその旋律を胸にひろげて

眠たくて祈りのように傾けた首はすべり台のさびしさだ

霜月の初雪は午後も降りやまずしんと冷たい夕刊届く

(塔2017年3月号掲載歌・前田康子さん選)

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

うたらばブログパーツ短歌第110回「背」

エラー音に止まるルンバを背中から抱えて戻す 亀のようだな

知ることは背負うことだと思いつつ君の言葉をまっすぐに聞く

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「うたらば」ブログパーツ短歌テーマ「背」に2首採用していただきました。

また、うたらばフリーペーパー最新号「食べる」の佳作集にも一首掲載されています。
美味しそうな一冊ですcake

http://www.utalover.com/index.html

NHK短歌5月号

夢のなか連れてかえった父なのに目覚めるたびに指がほどける

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

お題「父」で坂井修一さんに佳作に選んでいただきました。

2017年4月19日 (水)

2月号の歌

宍道湖に真雁は群れる行く秋の落穂、二番穂ついばみながら

笑顔には魔除けの意味があるという埴輪の中のひそやかな闇

成長が神話の時代オリオンの振りかざす腕の先の混沌

パンフレット五十冊分の時は行く君とシネマの闇をかさねて

筆跡のとがりに低い声を汲む君と五年の交換日記

真夜中の雨に気づいて耳じゅうが雨音になる眠りにとける

(塔2017年2月号掲載歌・山下洋さん選)

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

12月号2首目の歌を選歌欄評で取り上げていただきました。(吉岡昌俊さん)

2017年3月 2日 (木)

1月号の歌

函館の町にカラスとカモメ飛びさびしい色と気づいてしまう

長万部、洞爺、室蘭、地名のみ知る駅が行く車窓のむこう

手裏剣と思って避けたひとことが遠ざかるほど鮮やかになる

銀木犀をヒトのあなたと見にゆけば百三十年の樹齢は奇跡

ささやかにはしゃいだ後のはにかみのように漂う花の香がある

どちらかがこの世に残されることのたしかさを思う火を緩めつつ

(塔2017年1月号掲載歌・小林幸子さん選)

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1首目2首目は昨年9月に北海道に行ったときの歌です。
旅先で短歌や俳句をつくろう!といつも思うのに全然できません。
(そう思っていたこと自体をすぐに忘れる)
たぶん吟行が苦手なタイプなんだと思います。

11月号1首目の歌を選歌欄評で取り上げていただきました。(永久保英敏さん)

2017年1月31日 (火)

12月号の歌

深夜から突然朝が来るようだタイムラインをたどってゆけば

古き香の消えて私のものとなる本に記憶のまなざしがある

明るい未来が「アカルイミライ」と聞こえくる万歳に沸く画面の中の

夏だけに流れる川があることを告げてふしぎを君と分けあう

小走りの速さで迫ってくる水が小さな山羊をころがしてゆく

子の部屋に既に子はなく「邪気封印」のシールみどりにつやめいている

風を打つ背面跳びのすがしさで九月わたしの秋がはじまる

(塔2016年12月号掲載歌・真中朋久さん選)

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

「邪気封印」はエアリスのリミット技ですね。

2016年12月29日 (木)

NHK俳句12月号

ぎんいろのおりがみの舟秋の声

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兼題「秋の声」で堀本裕樹さんに佳作に選んでいただきました。

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